パパからの初めての手紙

パパからの初めての手紙

游学社
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おすすめ度の平均: 4.0
4 ジャパニーズ・フィリピーノ・チルドレン



フィリピン人女性と日本人男性との間に生まれた子どもたち。「JFCを支えるネットワーク」が様々なケースをとりあげ、子どもたちに届いたパパからの初めての手紙を収載。現在の活動状況についても報告する。一部英文併記。



両親と一緒に生活する、そんな事は日本で生まれた俺らには当たり前の事だ。だからその大切さに気づかない。むしろ邪険にする時もある。もし、俺が産まれた時から母親しか知らず父親は外国にいる、という事になったらどう思うだろう?
どうして俺には父親がいないのか?なぜ父親と一緒に暮らせないのか?そして、父親がたとえ遠い国にいるとしても、生きているのであれば、一度でいいから会いたいと思うのではないか?

 この本に出てくるJFCの多くはそういう境遇にある。JFCとはジャパニーズ・フィリピーノ・チルドレンの略で、日本人とフィリピン人から産まれた子供の事だ。父親によって捨てられ、フィリピンで母子家庭で暮らしているJFCは数万人以上いると言う。この本は、そういった境遇にあるJFCに対して人道支援を行ってきた”JFCを支えるネットワーク”というNGO団体が、今年10周年を迎えて、その活動の集大成として出版したものだ。内容は盛りだくさんだが、一番の要はタイトルであるあるJFC女性の想いを綴った”パパからの初めての手紙”。この文章を読めば、JFCがどういう境遇で生きているのかが分かる。そしてどう想って生きているのかも。

その想いが実現しない所に、殆ど知られていないがJFCが社会問題ということに気づかされるのだ。
 時間があったら是非是非読んでみてください。こんな境遇の子供達がいると分かるだけでも勉強になると思います。